風のオマージュ その4/みつべえ
☆北園克衛「花」の場合
雨の音とともに
黄梅が匂ってきた
風さへつのり
夜がふけていった
ひとり
詩集をひらき
友の詩を
すこし読み
菫さく野をおもひ
遠い山河をおもった
そして疲れ
おもひも尽きた
暗い部屋にゆき
風のように眠った
「独特のスタイルで書き、しかもその内容も意味も説明不可能な詩を書く詩人」(安西 均)と思われ、「モダニズムの衣装をつけた古武士」(吉本隆明)とも言われた北園克衛。一般には「骨/その絶望/の/砂/の/把手」ではじまる「夜の要素」の作者として知られている。でも上喝の作品のようなものも
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