雷鳴ー無音の稲妻2/……とある蛙
 
う大量の自動車から
クラクションの嵐
横断する大量の人
人人人
の筈

騒音の中に無音の状態
沈黙の中思考は溢れ出し

言葉は無い
大声での罵り合い
大声での嘲り
コミュニケーションするための
言葉は無い。

言葉の中
論理は潰滅し
それでも思考は溢れ出し
テンションは放電する。

都会の午後
押し黙った人々の隊列が行く
行くあてなど分からないが
日の沈む方角だ
誰ひとり立ち止まろうとしない
歩きながらの休息

そこへ一閃
無音の稲妻
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