夫婦の夢 /
服部 剛
夢の中で
遠藤先生が人型の看板になって
立っていた
その看板の裏を覗くと
順子夫人が金にひかるのべぼうの姿になって
遠藤先生を後ろから支えていた
夢から、覚めた。
窓外の青空に、うぐいすの唄が響いた
階段を下りて
食卓の椅子に座り
厨房でキャベツをとんとん刻む
妻の背中に僕は、そうっと呟いた
「やっぱり作家・遠藤周作先生は
(ふたりでひとり)なんだなぁ・・・」
戻る
編
削
Point
(1)