春雨/
ねお
水たまりを泳ぐ花びらに
君の名前をそっと書いて
空中分解させたら
上手に吸い込めるように
僕は咀嚼の練習を
幾度も歩いた道なのに
旅人のように惑うのは、なぜ
ゆるやかな風に舞って
僕のもとへやって来るのは、
コンクリートに薄紅色
(ぼくときみ)
きみに会ったらなにを話そう
この雨にさえ消せない不純さで
潔白なきみを満たしていいの?
こたえは
はたして、
約束を叶える日は、きっと
(いつだって、春)
戻る
編
削
Point
(0)