あかるい骸骨ーセザンヌ展にてー /
服部 剛
机上の聖書の上に置かれた
ひとりの骸骨が
遥かな明日の空を視て、笑ってる。
骸骨は、恐いものと思っていたが
全てがそうではないらしい
どんな人もいつかきっと骨になり
顔の無い風の姿になり
空に溶け去る時
密かなサインを地上の誰かに贈るという
不思議な日向(ひなた)になっている
窓辺の机上の骸骨は
空に吹く
風のサインを受け取って
ふにゃりと、笑っているようだ
戻る
編
削
Point
(8)