あかるい骸骨ーセザンヌ展にてー  /服部 剛
 
机上の聖書の上に置かれた 
ひとりの骸骨が 
遥かな明日の空を視て、笑ってる。 

骸骨は、恐いものと思っていたが 
全てがそうではないらしい 

どんな人もいつかきっと骨になり 
顔の無い風の姿になり 
空に溶け去る時 
密かなサインを地上の誰かに贈るという 

不思議な日向(ひなた)になっている 
窓辺の机上の骸骨は 
空に吹く 
風のサインを受け取って 
ふにゃりと、笑っているようだ 






 
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