Cloe/月乃助
まどろみの夢をえがいている
谷間に打ち捨てられた 石切り場の
墓標のような岩たちも、無言の瞑想にしずみ
春色と夏色のはざまに染まる あわい空に、
じっと胡坐をかいたような 雲たちは
寛ぎのはて、
そこでは、ないのですね
残雪に生まれた すずやかな山風のみちびくまま、
背をおされ 行き着けば、
山の端に 長く くの字を描く滝のもと
木の間は、
新緑をわけ広げる
満開の一色 紅ツツジ
ようこそ、
ようこそ、
さあ さあ こちらへ、、
( ありがとう・・・・、ほんとうに わたしは、
一人ぼっちではないのですね )
森の皐月の宴は、いまがさかり
新参者に 命をふきこむ
戻る 編 削 Point(8)