森の夜伽/月乃助
 
ある価値付与作用は、甚大で
原始的であり また 刹那的でもあります それは、
氷結に襲われた 囚われの守人


( 夜のひそかな中心で、夜伽をする者 )


 森の扉の門番さながら
 ただじっと 見張り 耳を欹て 待つ



そんな時、
沈黙が私にむかって反響する
私は、意識をなげさり 感覚をうかびあがらせる



森は、すでに死を斥けた
それならば、この扉の向こうには、、、、



森 ・・ お前は、何を聞いている

女 ・・ 何も。ここには、静寂しかないではありませんか

森 ・・ 耳を澄ませ、お前にもそれが聞こえるはず

女 ・・ なんの

森 ・・ この星の自転するその音が、それが、お前がさがしている
     その扉の鍵



 扉を凝視し、

 その向こうに咲いているはずの、花の景色を想いやる
 私は、その意識が拡散してしまわないように

 もう一度 そして、もう一度 その巨きな
 扉を見つめた







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