森の夜伽/月乃助
森には、巨きな扉がある
地図をひろげ、
内密空間の地理的分析に関する真の定理をさがす
それは、風景以上に一つの精神状況なのです
森は、幽玄性を証明したり
幽玄性の幻想をあたえたりする統合体
鉛直性の意識のよびかけの一つ
安易に
諸相から一般的な森に癒着したイメージを
そのまま受け取ろうとすれば、
絶対的にそんな解剖を拒否するのです
私は、理解しようとして、
森を集中した存在として想像したり
求心的な意識として 呼び覚ましたり、
つまらぬ徒労をくりかえす
それには、理由があるのです
この森で、
私の孤独の中心にある
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