当方滅亡/……とある蛙
トント浮かばない。もちろんアフリカ象の30分の1しかない彼の脳みそでこんなことを考えるはずもない。生きたいし、飯も食いたい。でも痛風は痛い。こんな彼でもこの時代の食物連鎖の頂点にいたと誤解されている。後世「暴君」というようなご大層な名前を付けられている。現実はもっとか弱く脳タリンな蜥蜴でしかない。蜥蜴嫌いの後世の猿から付けられた有り難くも何ともない名前だ。
轟音が響く、彼は頭を擡げた。空を眺めるとほとんどぼやっとしか見えない空であったが、巨大な火の玉が落下してきたことだけは見えた。あっ死ぬんだ。と彼はその時思ったようだ。死ぬの生きるのだけは生命維持装置のしての弱いおつむでも感じる。それが哀しいとか嬉しいとか全く感じないが…………プッツン(無音)
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