潮騒の森/月乃助
 
森に霧が降りる

 さびしいほどに深く
 どこまでも    
  
       それに、誘われるまま
        彷徨い
       導かれるまま
        分け入る

わたしと同じ齢ほどの杉たちの 深遠の淵から
懐かしい 音が、重く 響く
 フォグ・ホーン
  杉の針の先には、、、  潮の香り

知らぬま 獣道は、砂にかわった
見る間に広がり
杉たちは、 一面 砂のなかに林立する



(( Mom, when are you coming back?
(( We miss you so much.


木の間の
砂の上で わたし
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