誰にも云えない/御笠川マコト
 
家族と囲む食卓で
時計に追われる仕事場で
歓声のあがる居酒屋で
必死になって
ひとりを感じる短い時間を
探している
男が居ます

誰にも云えない
真実は
ひとりが すきなこと
ひとりが すきなこと

「家族」に微笑みを投げ
「同志」を励まし
「仲間」に語りながら
男は 知ってか知らずか
キモチの軸を
ねじれの方向に
変えていくのです

誰にも云えない
真実は
ひとりが すきなこと
ひとりが すきなこと


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