蒼穹/
無限上昇のカノン
そうな階段はゆらゆらと震え
戸惑いと恐怖を無理やり押し殺し
宙(そら)の高みを目指して登る
蒼穹を通り越せば
望んだ世界が待っていると信じて
蒼穹は遥かに遠く
伸ばした手は届かない
やがて力尽き
大地に叩きつけられるとしても
何もしなかったと後悔するのは好みじゃないんだ
死を待つベッドの上で
蒼穹に手を伸ばし
掴みとることを夢見る
年老いた者には
それさえも許されないと
嘲笑う私が
私の首を絞めるだろう
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