我が物顔の雪は降り止まぬ/
アルビノ
夜も構わず降り続いたんだ、雪。
梢を伸ばした櫻の木が
両腕いっぱいにそれを受けて
しならせて垂れる
柳のように、老木のように
街は強制的に白く塗り尽くされて
電信柱が反抗的にその半分を黒く覗かせていた
雪雲は
白く、重く、垂れ込めている
くっきりとしていた秋の山の輪郭を
雪が埃を払うようにぼかしてゆく
空と山はお互いをお互いと認識することなく
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