セックス症候群/愛心
薄い月明かりと静寂の夜
シーツの海に 揺らぐ
僕だけが知ってる 露われる姿態を
美しい と抱き締めてあげる
呼吸の心配は要らない
僕の酸素をあげる
脚なんて絡みとるから
声を明け渡す必要もない
邪魔なもの全て剥ぎ取って
煌めく泡の音を聞かせて
綺麗なその声も四肢も吐息さえ
僕が全て愛してあげる
触れ合うだけじゃ足りない
くちづけだけでは止まらない
愛してるなんて 何度囁いても
不確か過ぎるから
この想い 幾つも赤く刻み込んで
忘れられないように
白に散らして なんて綺麗
忘れられないように
僕の存在 奥まで教えてあげる
痛みと快楽 僕から君へ
幸福だと 泣く君へ
血も色も異なる僕ら
名も心も違う僕ら
愛してる と同じに融ける
泡は弾けて また生まれた
二人っきりで堕ちよう
夜の静寂の底へ
眠りに落ちる前に
お姫様 どうか
病だと嘲笑われても 構わない
僕らは愛し方を知らない セックス症候群(シンドローム)
[グループ]
戻る 編 削 Point(6)