キャスケット病/あおば
 
過ごせるので都合がよいといえば都合はよいが標準服を脱ぐ時期にいたると
センスが悪く着こなしがなっていないのとで敵を取られることになるのだが先のことはとりあえず考えない主義に冒され
黙ってハンチングを元居た箪笥の奥にしまい込む
それから幾星霜、今では、
若者がハンチングを被り
老人がキャップを被るのも許されるようになり
男女差別も少しは減ったのか
かっこよくハンチングを被る女性も現れ
あれあれと思っていたら
あれはハンチングではなくキャスケットだと叱られた
似ているようで両者には明確な差違があるそうで
単に英国と仏国との言葉の違いではないようで
若い女性詩人のAさんが朗読しながら深々と被っていたのがキャスケットなのだなと今にして思う。





「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。タイトルは、流川透明さん。


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