夜間飛行/そらの珊瑚
 
いくつもの
さみしい
たましいが
夜のツバメさながらに
ひらひら
とびまわる

生きている
人間は
なぜに
あんなにも
桜、桜と騒ぐのだろうと思い
やってきて
白いはなびらの
ひとつひとつに
ぶらさがり
ひしめきあっている

夜の桜を
ながめるとき
そんな
たましいたちに
私もまた
じっとながめられている

寄る辺なきものたちが

ここに
つどいあう
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