幸福談/小川 葉
 
ったり消化し、息子とハイタッチして、レジに並び、レジの人に、多分ちょうどあると思います、と言って、小銭払って、二人息を呑み待ってると、ちょうど889円ございますと、また息子と目を合わせてハイタッチ、感動、わけのわからぬ喜びを噛みしめて、父は涙すら禁じ得なかったのである。

そうして、その寿司も、今や息子が食べ尽くし、とんかつも二切れほどいただいて、あとは妻に託し、さんまはいらないと言われたけれど、なんだか持て余してしまい、酒を飲んでいる。ああ、今日も幸せがあった。また、あったのだ。まだ、あるのだと、来週も児童会館に行く約束を、息子とした。


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