『かたちづくるもの』/あおい満月
 
わたしを
かたちづくるもの

なにもないと
思ってしまうぐらい
安定のなかにいて
時折、
影のない痛みにおそわれるとき
その存在を知る

たとえばほねのようなネジのうめこまれた
六年前の傷は
降下しながら
なみだをながす

それでも、
わたしをかたちづくっていると
なみだしているのは
わたしで
奇跡と後悔のあいだで
海に浮かぶ氷のようにゆれている



二〇一二年三月十四日(水)
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