冷たい雨/……とある蛙
 

真夜中のコンビニの中
街は冷たい雨が降っている
どこかへ行くあての無い二人が
仕事を終えて会う約束の場所

外はどこも冷たい雨が降り
二人の居場所はどこにも無い
ただ暗闇の中にぼぉーと光る
コンビニエンスストアーだけが
約束の場所

おまえは場末の酒場のホステスで
俺は売れないソングライター
買うものなどほとんど無いが
俺は週刊誌に目を落としている
約束の時間がくると
俺の背中をおまえがつつく

ガラスドア越しの冷たい雨
曇りガラスに映るおまえの笑顔
本当にお前が愛おしい
これから帰るアパートの部屋
温かいものも無く ここで買ったおでんだけが温かい
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