賢治のいのり /服部 剛
賢治は今も、救霊している――
僕は、言葉を信じたい
暗闇に射す光のように
震える魂を再生する、詩の言葉を・・・
今・ここに集う僕等は
数えるほどの人かもしれない
でも、一度は闇に葬られた
全ての魂に念じる時
無数の見えない心は
乱反射して、ここに集うだろう
今・ここにいる無力な僕が
誰かを助けられるわけじゃない
在りし日に、真(まこと)の詩人であった賢治は
まっ青に澄んだイーハトーヴの空から被災地へ
只、両腕をひろげている
賢治は今も、救霊している――
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