積むひと/恋月 ぴの
 
あなたは積み上げる

与えられた積木を丹念に積み上げる

それが人生




親指と人差し指で作った輪の大きさぐらいな積木
いつも何かに苛立っていて

終りの無い議論を隣の積木に吹っかけてみたり
時には手を出して大騒ぎになる

それはあなた

わたしにだけ優しいつもりなのか
夜空に届けとばかりに息を切らせては

お腹の奥に愛の記憶を象った




やがてわたしは身ごもる
満月みたくに膨らんだ臨月間近なお腹

片時も忘れて欲しくないのか
それとも自らの存在を誇示したいのかお腹のなかで暴れてる

あなたと
わたしの

ふたりの子供
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