烏も死なない平和な日本で脳髄から腐っていくよ/田園
 
ように思える。
だがまだ病気だと認識しているだけよいと医者には言われた。
しかし、最近これは世間にとっては嘘でも、俺にとっては紛れもなく本当なのではないかと思うようになった。
何をするにも監視をされているかのように感じ、正直インポテンツ気味だ。
見られながらヤル趣味は無いもので。

ふと、外をみた。
快晴。になるであろう、朝の風景。
コンビニで煙草でも買ってこようか。あの週刊誌はいつ発売だっけ。
そんな事をジャージ姿で考える。
昔、モテ期なるものがあったときは、俺も最高潮で、お洒落に着飾っては女におぼれた。
でもそんなもの一過性で、今俺にあるのは、ヒモにしてくれているジュンコだけ。
多分ジュンコは俺をいつかフるだろう。
もっとしっかりした人間とくっつくだろう。子を産むだろう。老いるだろう。

絶望を通り過ぎた頭でそれを思う。

でも、なんにも考えたくないんだ。
くすくす、また、聞こえる。
「シネバイインジャナイ」
ああ、そうだね。
声に適当に返事をして、虚空を見つめるように目線を外した。

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