ある日/
浩一
ある日
おもい扉の
無言に背をむけ
行くへのない
路線バスにのって
靴をながめ
芋虫のような地下鉄と
真昼の亡霊たちの
ガランとした電車にゆられて
未来をあきらめ
だれかが通った
気配ののこる
路地裏をぬけ
いつのまにか
ああ
いつしか
みしらぬ町の みしらぬらぬ路上で
ふいに青空にかこまれる
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