リハビリ/ふるる
 
0度までがんばるよー」
「やだー」
「そのままでいいならいいよ」
「やだー」
「ダンベルと砂袋どっちがいい?」
「どっちもやだー」
ダンベルは落ちた筋肉をつけるため。砂袋は手首につけて、その重みで伸ばしていく。
お兄さんはイケメンだが容赦という言葉を知らない。私は座って、ひじの高さの台に腕を置く。お兄さんは私の手に自分の手を組ませ(恋人つなぎというやつです)腕もくっつけて、ゆっくり体重をかけて伸ばしていく。いくら痛いと言おうが全く動じない。
たまに痛くて力が入りすぎ、終わるとお兄さんの手の甲に私の爪の後がくっきりついていることがある。
「ごめんねー」一応謝ると、苦笑して「明日もが
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