『うみのながさ』/あおい満月
 
ちきってしまうだろう
うみのながさのように
そうして流れ出して
はだかになり
見つめているものさえも
意識から消えてしまえば
わたしは永遠の海になる

そうしてただただ、
腕のなかの
あなたを求めるだろう
あなたのなかにいる
わたしを探して

つつまれるうみのながさから
のがれるすべは
わからないけれど

うみのながさに扉を立てて
塞き止めてしまえば
朝の街も穏やかに流れる


うみのながさを
うみのながさを

知りながらわすれてしまえば
もう、
鏡のあらそいはいらない


                      二〇一二年二月八日(水)
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