『うみのながさ』/
あおい満月
うみのながさを感じていると
わたしがその手につつまれているような
不安定な安堵に満ちてくる
うみのながさを感じていると
こころがひとつ
深いほうへと滑っていく
うみのながさは
わたしから
私をうばっていく
やがてわたしは
どこにでもあふれ
どこにでもしみだしていく
ありとあらゆる制限から流れ出して
鍵さえもたちき
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