Days of cat/そらの珊瑚
ね」
と言ったら
困ったような顔をしていたっけ
十五年以上生きたらしい
最期はさすがに
寄る年波に勝てず
最盛期の半分位の体積になってしまった
おばさんもナナも
もうこの世の人(猫)ではないけれど
時々
ナナそっくりの猫に出会ってどきっとする
可愛がってあげたのに
化けて出たかとどきっとする
いや、愛していたら
化けてでるのもいいかもしれない
ナナは
きっと猫の世界でもモテたんだろうね
何代目かは知らないけど
今もナナによく似た猫に合う
一体何人子供をはらませたのだろうか
ナナ一族は今も健在だよ
時々
風がリビングのうすいカーテンを
揺らすとき
私はこうしてナナのことを
思い出しては
少し笑う
少し笑って元気になる
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