希望と絶望のはざま/小川麻由美
皆 やんややんやとなる
ネガティブな言葉は封印され
予定調和的な空気が充満する
皆 表に見えるところは曇っていない
しかし心の奥は恐れおののいている
円を描いて座っている いびつな円
皆 何がしかの安らぎを求めてきた
しかし 自分の求めているものを
手にできる保証はどこにもない
皆 心の内を話しに来る
はずれた言葉は波紋を呼び
修正され調和の中に取り込まれる
皆 言葉の使用法を間違えると
思いもかけない
とんでもないことになる
結局のところ あげくの果てに
苦笑いと共に その場を去る為に
汗をかいた手でドアノブを握り
その汗のせいで回らないドアノブを
回そうとする無駄な努力を
皆 しなければならない
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