日曜を呼び出して左フック/民次郎
 
無様に云おう
大昔といってもたかだか三十年前
美しいと思ったのは夕焼けのグラウンドと年上の女

たった今雪が止んだ
街はおもちゃを取り上げられた子供
掃除も終えた休日
定番の秘密主義者は
日曜の暗澹さを誰かに話したことがない 

一方工場では
朝日が差し込んで工場で働く女を照らす
新雪を目にしたよう
手で触れたいような美しさ 
嗚呼 後悔と真がさっと消える

床の間に赤いバラがあった 

無様の瞬間
深刻な冗談のような

忘れていた 見逃す


 


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