日記/そらの珊瑚
生まれたばかりのころは
世界と自分との間に
境界線がまだなくて
自分が誰かなんて
どうでもいいことだったのでしょう
そのうち
自分の そとがわが
出来始めると
この なかみは
自分なんだなぁと
思い始め
毎日 日記に書いておくようになるのでしょう
記憶をいう日記帳に
自分が誰なのか
もし
忘れそうになったら
日記帳を開きます
記憶を書いてきた日々をたどれば
ああ、いつか来た道だったなぁと
きっと
懐かしく思うでしょう
自分は自分でしかないのですね
あなたがあなたであるように
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