vague/アルビノ
目を閉じると遠い
なにもかも
くるまの行き交う音が波音のようで
ぼくをここからひきはなす
夜のうみに意識をとばす
だれかといたきおくが
ぼくの脳みそをくすぐって
甘い匂いを蒸し返す
肝心なところで途切れるきおくは
やはり、曖昧で
あなたを描き出す線は
あまりに単調だ
あのうみに託したおもいを
すべて置き去りに
やがて波がさらうように
波打ちぎわにおいていく
そのまま溺れてしまえばいい
きおくの淡色にみずを湿らす
滲んでゆく色彩は
じかんの流れがうみだす
曖昧さ
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