芥川賞受賞作2作を読みました/ふるる
 
文芸雑誌、「文藝春秋」(三月特別号)に載っていた、芥川賞受賞作2作を読みました。


田中慎弥著「共喰い」は、女性がひどい目にあってばかりいますが、全体を覆うのは、「男ってほんとにどうしようもないんですよ」という作者の苦笑いのような気がしました。ひどい目にあうんだけど、女性への優しい視線というか、よく見てるなあというのを感じました。
川というと、「泥の河」という映画を思い出すけど、あそこまでやるせない感じではない。
時々ぐっとくる表現があって、猫が家を通るのでなく、家が猫を通った気がした、など、この作者の感受性は貴重だと思います。
ところで最近の小説を読んで思うのは、女性が無理やりされ
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