つらつらと/番田
り、話す人も多くはない。
何も考えずに生きていると、物事に対して焦燥感を覚えるのは、つまり自分自身に何か大切なものが欠けているからだ。すでに満たされているのなら、すでにその人は幸せであるということができる。
思想は外的なストレスによって形成されるのかもしれない。それとも、それに対する反発なのか。どちらにしても、表現は不幸によって生み出される。
少年時代に詩を書こうとするものはいない。心が満たされていれば、外部からストレスを受けること自体がないからだ。青年は日常から離れたものに目を向ける。それが視覚であるのなら絵画であり、音なら音楽であり、言葉であれば詩となるのである。
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