『かける』/あおい満月
 
かける かける
鍵を かける
うみが 飛び出さないように
ひらいための まぶたの先から
うみが 飛び出さないように

飛び出したうみに
飛び込んで
ただよう術さえ
まだしらないから
誰にでもわかってしまうように
小刻みにふるえている小指が
さししめす先は
誰もがほんとうはまっている
束の間のえいえんの ねむりのうみ

だから
鍵をかけて
うみの流れをせきとめる

ほら、
わたしは たくさんの
それらにすぎないから



二〇一二年二月二日(木)


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