「なんてかわいらしんだろ人間て」/モリマサ公
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山の稜線をはさみでなぞって「パードンミー」の声がよこぎる。
車線の向こう岸にきみたちがいた。
だれのせいでもないのかもね。
植木鉢の中のクモの巣。
とっても安全な痛み。
いつからこんなふうにぼくたちは歩いてるのかしら。
目覚まし時計が鳴らない朝に太陽がゆうらゆうらのぼってゆく。
「誰にも会いたくありません」が画面にぽっつり表示されて。
ぼくたちはすでにコミュニケーションをはじめてしまう。
「なんてかわいらしんだろ人間て」
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