記憶/
小川麻由美
浜辺に立つ
脚に寄せるさざ波
私の脚を包んでは離し
戯れる海水
そばに居る白馬は輝く
地平線を見渡す
まっすぐに昇る煙が異様だ
シンメトリーであるようで
実はアシンメトリーな風景
絶妙な浮遊感
浮遊感に身を任せ
忘我に至る
そうこうしているうちに
虹色の大蛇の影が
私に差しかかる
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