無題 3/浩一
 
生まれてきたから
生きている
死ぬ理由もないから
生き続けるだろう

過失や
嘲笑の恐怖に
おびえながら

ひとの顔や
ひとびとの声に
おののきながら

しかもなを
五感を駆使して
体験のなかから語るだろう
想像力のゆくところまで

ひとつの想念が俺を誘発する
ひとつのリズムが俺を駆り立てる

死すべき一個の
意識体として
戻る   Point(1)