星の友達 /服部 剛
 
飲み屋の座敷で 
一人酒の盃を傾け 
いつしかこの頬は赤らみ 
脳みそは何処までも歪み 

おぼろなる意識の内で 
転寝(うたたね)にかくんっと首の抜ける時 
夢の夜空にたった一つの星が 
しきりに(何か)を云うように 
強く、瞬いていた 

目が、覚める。 
閉店間際の飲み屋はいつのまに 
しーんと静まり返っていた 

「ごちそうそま」 

暖簾(のれん)をくぐって 
コートの襟を立てた僕は 
先ほど夢に見た一人の友を探して 
冬の夜空を仰いだ 







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