星の友達 /
服部 剛
飲み屋の座敷で
一人酒の盃を傾け
いつしかこの頬は赤らみ
脳みそは何処までも歪み
おぼろなる意識の内で
転寝(うたたね)にかくんっと首の抜ける時
夢の夜空にたった一つの星が
しきりに(何か)を云うように
強く、瞬いていた
目が、覚める。
閉店間際の飲み屋はいつのまに
しーんと静まり返っていた
「ごちそうそま」
暖簾(のれん)をくぐって
コートの襟を立てた僕は
先ほど夢に見た一人の友を探して
冬の夜空を仰いだ
戻る
編
削
Point
(6)