2015/アルビノ
天井が見えた
ひどく煤けた見慣れた天井
ぼくは眠っていたようで、柱時計の秒針が刻む音できっと目を醒ましたのだろう
ここは来たことも見たこともない場所で
でも多分知ってた
2015年
たしか、そう
西暦だとか名前だとかに価値がないことに気付いたのは22の秋
すべては先に生きた誰かの子供染みたルールなんだ
それに気付いた午前5時 カレンダーを捨てて、時計をはずした
今までが馬鹿らしくなるくらいすっとした
次の日、
区役所に行って戸籍標本を破いてみせ
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