『メトロノーム』/
あおい満月
散在する
おと、おと、おと、おと、
らせんれんさになり
からみついてくる
どんな祈りや鍵さえもねじまげて
おかされるわたしの記憶
手掛かりは、
ひえていくわずかな体温だけで
銀の手摺にもたれかかり
いくつもの駅をかぞえる
こころがすなにならないように
こころがすなにならないように
いつかの、
袖口の動物を手なずけるように
ちいさく遠く
夜がさっていく時を見まもる
※『袖口の動物』は、杉本真維子さんの詩集から。
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