風の棺/
そらの珊瑚
私が
こうして
文字を綴るのは
この
鉛筆の芯がなくなるまでのこと
あれ
もう芯がないや、と
気づいてしまうその時を
想像すると
やはり切なくなくなるけれど
きっとその朝は
晴れている
雲ひとつなく
すばらしく
青く、青く
晴れていることだろうと思います
書ききれなかった
物語は
風の棺に入れるので
世界の涯にでも
とばしてください
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