ただいまをいうところ/風音
 
遠い遠い旅に出て

はるかな光を胸に
月明かりの下
ひとり歩いた

吹く風は寒く
口笛吹こうとしても音が出なくて


ひとりだった

とても

ひとりだった


胸に抱く人々は遠く
星になってわたしを見下ろした

ふと気付きば
同じ道を歩くひと

あたたかかった

とても

自然に寄り添い
暗闇を歩いた

灯が瞬く

ああ

このひとが

このひとこそが

わたしの
ただいまをいうところ


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