街のにおいを少しだけ嗅ぐ/ホロウ・シカエルボク
に、溶けた、高熱の、なにか…それはなにを形作ろうとしているんだ?どんな製法でもって、どんなニーズに答えようとしている?タフで、ハードなものか?あるいは、順応性に秀でたものか…。本屋の前の小さな信号を渡る。本屋に入り、目当ての本を見つけるが、店の中には誰も居ない。小さな店の中をしばらくうろついていると、店主が戻ってくる。俺は気付かないふりをして、とある週刊誌の見出しを少しの間読んでいた。落ちぶれた元アイドルがアダルト・ムービーで痴態を晒したそうだ、ふぅん。きっと、なにをやったって追いかけて来てくれるヤツはいるんだろうな。そんなヤツらを最後まで大事にしたら、もしかしたらそれは彼女の勝ちってことになるの
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