『とがらせろ』/あおい満月
 
とがらせろ
とがらせろ
ながれのすべてを
とがらせろ

握りしめた力が
入水した紙粘土のように
ゆるゆるととけていく

鍵をかけられた小さな揺れが
朝が来るように遠ざかる

それでもわたしは、
仔犬のように
とがらせろ
とがらせろと
慟哭する

くらしをとるか
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