『とがらせろ』/
あおい満月
とがらせろ
とがらせろ
ながれのすべてを
とがらせろ
握りしめた力が
入水した紙粘土のように
ゆるゆるととけていく
鍵をかけられた小さな揺れが
朝が来るように遠ざかる
それでもわたしは、
仔犬のように
とがらせろ
とがらせろと
慟哭する
くらしをとるか
[
次のページ
]
戻る
編
削
Point
(8)