反転した世界ーーー夢/yamadahifumi
 
の他の民衆と呼ばれている人達と全く同じ仕方でね。・・・そして彼が方法序説を書いた、という事は彼の中では全く馬鹿げた、愚かな事だったのだ。そしてそれ故に彼も偉大ーーーつまりは私達と同一の仲間に組み入れられる資格があるかもしれない、と考えることができるのだよ。これがどういうことか、説明して欲しいかね?」
 「はい」
 「よろしい。君も知っての通り、この世界は反転した世界だ。反転した世界の一つと言っていい。反転した世界はいくつかあって、そしてまた反転した世界の中で反転した世界もある。・・・まあ、この世界は反転した世界の訳だ。君も知っての通り」
 「はい」
 「この世界は知者は愚者として扱われ、も
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