反転した世界ーーー夢/yamadahifumi
いる。・・・まあ、それもあと少しの事だが」
そう言って男は自分の時計をちらと見た。
「この時計の意味、分かるかね?」
「いいえ」
と僕は答えた。
「・・・そうだろう。君達は実はね、この時計の意味を分からずに使っているのだ。これがどういうことか分かるかね?」
「いいえ」
と僕は答えた。
「そうだろう。・・・君達はまだ「分からない」という事が「分かる」という事に気付いてはないからね。・・・まあ、君達の内何人かは気付いた人がいるがね。例えば、その内の一人がデカルトだ。デカルトは知っているね?」
「少し読んだことがあります」
「・・・よろしい。では、デカルトの成し遂
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