ある真夜中のポエジー /服部 剛
 

深淵なる場所から響いてくる 


 かたっことっ 
  かたっことっ 
   かたっことっ 
    かたっことっ・・・  


ポエジーという名の宇宙空間を 
走る列車の音を聞きながら 
真夜中に詩人はペンを走らせる 

彼の心の滴が 
紙の上に落とされ 
結晶となってゆく 

命を吹き込まれた 
一篇の詩に 
ありのままの人間を 
愛する思いがあるなら 
詩人の手紙が一人ひとりの心に 
届く日は来るだろう 

真夜中
詩人の生きる鼓動が 
命の音が聞こえてくる  

それは今夜も宇宙空間を 
たった一つの場所へ向かって 
走り続ける銀河鉄道の音 


 かたっことっ 
  かたっことっ 
   かたっことっ 
    かたっことっ・・・ 






  
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