ある真夜中のポエジー /服部 剛
見ている頃
この眠れる世界の何処かで
貨物列車は今夜も走ってゆく
荷物を目的地に届ける為に
かたっことっ
かたっことっ
かたっことっ
かたっことっ・・・
この真夜中に
詩人はペンを走らせる
言葉を大切な人々に届ける為に
彼の心の中を走る列車は
大いなる闇に突入し
深く深く走り続けながら
やがて銀河系へ昇ってゆく
列車が時の無いトンネルを走り抜けると
果てしない宇宙空間が広がり
暗黒の世界に
無数の星達が煌いている
宇宙空間を銀河の流れのままに
走ってゆく列車の音が
深
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