ある真夜中のポエジー /服部 剛
 
街がすっかり眠り 
オリオンが西の空に瞬く夜更け 
部屋の中で一人の男が 
ペンを走らせている 

時の経つのも忘れ 
言葉にならない思いを綴る深夜に 
何処からか聞こえてくる列車の音  


 かたっことっ 
  かたっことっ 
   かたっことっ 
    かたっことっ・・・ 


その音が暗幕の闇を潜り抜け 
彼の心の入口に届いて
体内に広がってゆき 
ますます時を忘れた彼は 
何かがのりうつったように  
詩作に没頭する 

部屋の中は時計が時を刻む音 
電気の微かな、じーーという音 
紙の上にペンを走らせる乾いた音 

人々が夢を見て
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