『あめがかたに』/あおい満月
 
あめがかたにふるのは
このうちのねつをしずめるため
あめがかたにふるのは
このてをもりにかえすため
あめがかたにふるのは
のびたおもいかぜにかえすため
あめがかたにふるのは
うきしずみするかたわれを
ちいさくとかすため
あめがかたにふるのは
せんたんのきしみつつむため

あめがかたにふるのは
あめがかたにふるのは

空間に掲げた
いくつもの願い
ことばにすれば
嘲笑に摩耗するだろう
けれど残ったひと欠片は
光に変わる石の水底のように
迸る何かを待っている



二〇一二年一月二六日(木)
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